年を重ねれば重ねるほど、いったいいくら貯めれば安心なのか、貯めたお金はどの時期にどのくらい使うのかが分からず不安になる人も多いと思います。
そこでこの記事では、今後の長い人生のなかで、お金がどれだけ必要で、どうやって貯めていくのか。その基本になる部分を学んでいきたいと思います。
もくじ
貯めグセをつける
具体的な貯め方の話をする前に、あなたは貯金をどのようにして行っていますか?
A 毎月の生活費の余りを貯金する
B 貯金をして余りを生活費にする
Bタイプの人はすでに貯めグセが見についていますので、次のステップに進んでください。
では、貯めグセをつけるための第一歩として、お金の貯まる公式について知りましょう。
貯金を実現するためにおすすめなのが、天引き貯金です。会社の給与から天引きされる財形貯蓄や、毎月決まった日に口座から貯金用口座に引き落としされる積立定期などがおすすめ。
このように強制的にお金を貯金し、普段使っている口座とは別口座に貯金をすることで、残りのお金で生活する習慣が自然と身に付きます。
貯金の基本
貯めグセのつけ方が分かったところで、さっそく貯金の仕方の基本的な流れをみてみましょう。下の図は、貯金するための順番を表しています。
お金は①「生活防衛資金」→②「教育・住宅資金」→③「老後資金」の順番で貯めます。
②と③は同時並行に行うのが理想ですが、家計のやりくりが厳しい場合、発生する時期が先に来る②から貯めていきましょう。
①生活防衛資金をためる
貯金はまずはじめに「生活防衛資金」を貯めましょう。今の生活を最低限維持するために、絶対確保したいお金です。
生活防衛資金とは、病気や災害に備えるために最低限必要な資金のこと。自身の病気や社会情勢の影響で収入が減った時に備えるお金です。
しっかりとこの資金を用意しておけば、病気などの万が一のことが起こっても当面の生活には困りません。裏を返すと、万が一のことがない限り使ってはいけないお金です。
生活防衛資金はいくら必要?
ライフステージや家族構成によって異なります。必要額は毎月の生活費×○月分で計算します。
①単身の場合
もしもの時に生活費を削りやすく、生活の立て直しをしやすいのが単身者。
生活防衛資金は毎月の生活費×3か月~半年分がが目安です。
生活費の平均は15~20万円ほど。家計のなかでも家賃割合が高いので、関東圏が居住区の人は平均が3~4万円ほど高くなるでしょう。
②共働き夫婦の場合
夫婦同時に失業するという事態が考えにくいため、生活防衛資金は生活費×3か月~半年でよいでしょう。ただし、「夫婦で職場が同じ」「夫婦で店を経営している」といったケースは半年~1年分ほど用意があると安全。
生活費の平均は20~25万円ほど。40代の夫婦ふたり暮らしの場合は、生活水準が上がり30万円前後が平均。
③片働き夫婦の場合
収入源が1つで、その収入が無くなった場面を想定してください。
夫婦のうち働いていない方は、パートなどを始めて収入を得ようとしますが、仕事をみつけるのに時間がかかります。
そのため生活防衛資金は生活費の1年分を用意しておきたいです。
生活費の平均は20~25万円と共働き夫婦と水準は同じです。
④子供がいる場合
大人に比べ、病気やけがなどのリスクが大きい子供。
子供が幼い場合、生活防衛資金は生活費×1年~1年半分、大きくなったら生活費×半年~1年分を準備するのが適正です。
生活費の平均は30~40万円ほど。4人暮らしの想定です。子供が小さいうちは30万前後で済みますが、成長してくると食費なども比例して増えるため40万円くらいになりそうです。
生活防衛資金はどうやって貯める?
どんな事態に陥ってもすぐに使えるように、預貯金で準備しましょう。強制的に給与から天引きされる財産形成預金や、毎月決まった日にちに引き落としされる積立定期預金の活用がおすすめです。
②教育・住宅資金を貯める
生活防衛資金が貯まったら、目先の大きなライフイベントである「教育資金」と「住宅資金」を貯めましょう。
一般的に30~40代にかけて一気にやってくるイベントなので、20代のうちから貯めないと後々家計が火の車なんてことも…
教育資金
こどもの進路によって必要なお金は異なりますが、一般的にどのくらい必要になるのかを把握しておきましょう。
あくまでもこれは学習費用。実家を出て大学に通う場合の仕送り等は別途必要なので注意しましょう。ちなみに一人暮らしの大学生への仕送りは月7万円前後が多いです。
住宅資金
家の形態や住むエリアによって必要なお金が大きく異なりますが、一般的にどのくらい必要になるのかを把握しておきましょう。
このほかにも、リフォーム費用、各種税金、家財費用などで+数百万円が必要になります。
教育・住宅資金はどうやって貯める?
貯め方には色々な手法がありますが、全額を預貯金や保険にするのはNG。
投資などの利回りの大きい商品も組み合わせて貯めていきます。
財産形成預金
給与から天引きになるので、貯金効果が高いです。会社によっては奨励金として利息が付く場合も。
5年以内につかう予定のお金は財形で貯めると良いです。一方で、5年以上のお金を貯めるのには不向き。インフレの影響でお金の価値が下がってしまいます。
学資保険
金利面ではお得感が少ないですが、親に万が一のことがあれば支払いが免除になるので、もしもの備えは保険で用意しましょう。
ただし、受取時期までは基本的に引出し出来ないため、高額な掛け金にしてしまうと家計を圧迫する要因になります。
つみたてNISA
預貯金、学資保険に比べ利回りが期待出来るのでおすすめ。特に今後インフレが進むと、現預金が目減りしてしまうので、お金の価値を守る役割も果たします。
しかし、2~3年後につかうお金を貯めるのには不向き。まずは月1,000~10,000円の少額で始めましょう。
③老後資金を貯める
老後の準備といっても「20年以上先のことで、全然わからない!」というひとも多いと思います。そんななか明確に積み立てる金額を考えるのは難しいので、現状の老齢期のデータから計画を立ててみましょう。
老後の生活資金について
年金の受給が平均月22万円、老後の生活費の平均が月26.4万円。差額の赤字分約5万円は貯金を崩す必要があります。
仮に65歳から90歳までの25年間で取り崩すとすると約1,500万円が必要に。このほかにも、自動車購入、リフォーム、病気や介護などなど、資金は他にも必要になります。
老後資金はどうやって貯める?
どの年代の人にも絶対おすすめなのがiDeCo。
iDeCoとは掛け金を60歳になるまで運用し、60歳以降に受け取るもの。1年間の掛け金分、所得税・住民税を軽減出来ます。
「いくら貯めたらいいか、さっぱり分かんないけどとにかく不安!」という人は、とりあえずiDeCoで毎月1,000~5,000円貯めることだけでも始めましょう。iDeCoは始めるのが早ければ早いほどお得度が増します。
まとめ
ライフプランや現在の年収、貯金額それぞれに応じて適正な貯金方法、目的は違います。
自分が今何をどれくらい貯めなくてはいけないのか、をしっかり見つめなおし、一生お金に困らない人生にしましょう!